キャンバスを床に置いて、絵具缶から直接絵具を滴らせるドリップ・ペインティングという独自のスタイルを展開し、
それらは、ハロルド・ローゼンバーグの論文で「アクション・ペインティング」として呼ばれるようになった。
第二次大戦後のアメリカをパリをしのぐ美術の中心地とする上で大いに貢献した。

キャンバスの周辺を動きまわりながら描いたため、伝統的な意味での構図的な軸や中心を欠いた
無指向性の作品になっていたことにおいても、美術史において革新的だった。アナーキーな混沌や無秩序ではなく、
既存のサイズ、形といったものを無視した彼の作品は上流階級から強く支持された。

1956年、44歳のときに酒飲運転が原因で事故死。
数カ月後、抽象表現主義の代表者で、またアメリカの現代美術の開拓者として、
ニューヨーク近代美術館で回顧展が開催され、その後もより大きなスケールの回顧展が何度も開催されている。